和菓子の技あん  こしあんの作り方 粒あんの作り方
和菓子屋さんは、「あんが命」といいます。だから、店によって、それぞれ個性があります。
ある店では、短時間で炊き上げて、色が濃く、小豆の風味もくっきりとしたあんを使います。
また、ある店は目の細かいこし器を使いながら、何度も水でさらし、口溶けのよい、さらっとしたあんを作ります。一度、じっくりとながめ、食べ比べてみてください。
 こしあんの作り方
昔の和菓子の本を見たら「あん練りがつらくて、小僧さんが逃げてしまう」と書いてありました。
そーだろうなぁ。冬は寒く、夏は暑く、かき混ぜるへらは重い。
今は生あんを買ったり、機械を使うところが多くなりましたが、昔かたぎのお店をたずねると、ご主人が早朝から黙々と仕事しています。
  • 小豆を水から煮ます。この煮方も、それぞれ工夫があるので、基本のものを紹介します。
  • 沸騰したら、途中で差し水を注ぎます。こうすると、温度が急激に下がって、小豆が沈みます。
  • 豆のしわが伸びたら、ざるにあげ、水をかけます。この作業を渋切りといい、淡白な味わいのあんを作ります。
  • 指で簡単に豆がつぶれるくらいのやわらかさになったら、ボウルの上にざるをおき、水を流しながら小豆をつぶし、残った豆かすを取り除きます。
  • ボウルに残った小豆汁は、少しずつ目の細かいざるやこし器に変えて、辛抱強く、何度もこして、小さな豆かすも取り除きます。馬の毛でできた、向こうが見えないほど目の詰まったこし器を使う店もあります。
  • 小豆汁をしばらくおくと、底に小豆が沈殿するので、上水を捨てます。水を入れてかき混ぜ、これを繰り返します。
    つまり、あんを作るときは大量の水を使います。当然、水の良し悪しが重要で、京都のさる店では、地下百メートルの井戸から汲み上げた水を使っているというような、こだわりになるわけです。
  • さらし布巾などに流し、水気をしっかりと絞ります。これが生あんといわれるものです。製あん所から、生あんを買う店も多いです。
  • 鍋に水と砂糖を混ぜて沸騰させて蜜を作り、生あんを入れて加熱しながら練り上げます。ぷるぷるのわらびもち用はやわらかめ、皮がぱりっとした最中は固めに仕上げます。
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