絵日記の一覧
中津
05/6/12〜14
夫のふるさとは、大分県の中津市です。久しぶりに里帰りすることにしました。新幹線で小倉まで行き、そこからL特急「ソニック」に乗り換え、片道五時間の旅です。
ソニックは革張りのシートに寄木細工の床で、シガーバーのような贅沢かつ重厚な雰囲気です。バブルのときに間違って作ったわけじゃないですよね。帰りはさらにびっくり。というのも、ヘッドレストがミッキーマウスの耳みたいに丸く、しかも赤、緑、青の三色に色分けされて黒いドットが入っています。「森美術館から来ましたぁ!」みたいなノリなのですよ。
公共の乗り物でこんな楽しいのははじめてで、私は担当者の勇気に拍手を送りたい。だって、中には「ドット恐怖症で見るとめまいがする」という人がいるかもしれないし、「こんなおもちゃの電車みたいなのでは、仕事に行く気にならない」と思い人もいるかもしれない。
ちなみに窓の外は、ふつうの市街地および田園風景です。この絵は、少し願望が入っています。
羅漢寺に行きました。スキー場にあるリフトがあって、それに乗って頂上に行きました。睡蓮やしょうぶがきれいでした。頂上から眺めると、水田が青く光り、はるか向こうの山が煙っていました。これがそのとき描いた絵です。
リフトで少し降りると、羅漢寺につきます。1300年前にインドの渡来僧が開いたそうで、ご本尊は金銅仏です。山門は岩にめりこむように立っています。くぐると、洞窟の中に3777体の石仏「五百羅漢」があります。風雪にさらされて顔の造作も分からなくなっているものもあり、ありがたいというより、なんだか少し怖い気もしました。参詣者が姑と夫、私の三人だけだったせいかもしれません。私のふだんの心がけが悪いせいかもしれません。
中津は関さば、関あじ、はもが名物です。今回は20センチほどもある関あじを食べました。筋肉質のあじです。食感がまったく違います。最後に唐揚げにしてもらいましたが、カリッとして、うまみがありました。
和菓子は、いろいろありますが、なんといっても「一万円札」の模様がはいった小麦粉せんべいです。中津は福沢諭吉生誕の地なのです。